第一回
生理中も快適に釣りを楽しめる
超ハイスペック吸水サニタリーショーツ
HUG you がすごい!
釣り歴30年目に突入した Shipsmastプロデューサー&女性限定フィッシングサークルTLC会⻑の金子マミが自身のアンテナでキャッチした「女性釣り人」や「女性のアクティビティ」に関わる最新情報をレポートする不定期連載。
第一回は吸水サニタリーショーツ[ HUG you ]の開発者・山口恵理さんのインタビューです。
さて、釣りのWEBメディアなのに、この新連載の第一回は、釣具の話でもなく、魚の話でもなく、吸水サニタリーショーツについてです。
女性の生理問題について、ここ数年あちこちのメディアやSNSで話題が出るようになったことはご存知でしょうか。
少なくとも、女性の友人同士や同性家族とは生理の悩みや失敗について情報共有することはあるかもしれませんが、実は多くの女性は男性と共存する社会で活動する上で、人それぞれ生理にまつわる悩みや辛さがあるようです。
私自身も女性として、もちろん悩みや失敗談を持っています。
それでも、わざわざそのことについて他の女性と話したり、悩みを相談したことはあまり記憶にありません。
あるとすれば、まだ生理に不慣れな中学生や高校生の時期でしょうか。 大人になってたまたま私がこれは困った!と思ったのは、実は釣りの船上でした。
地方によっても違いますが、私のホームの関東では1日船の船釣りは出港から帰港までだいたい7〜8時間です。
当然、その間に何度かトイレに行く必要があります。
女性には説明不要かと思いますが、生理中であれば通常よりもトイレに行く回数は増える場合があります。
釣りたい、でも不快。面倒くさい。
それが生理の時の船釣りでの私の葛藤でした。
そんな「女性釣り人の生理の不快」に救世主が現れました!
今回は女性として、そして母として、若い世代も含めたアクティブな女性の生理の悩みに着目し、 数多あるサニタリーショーツとは一線を画す[ HUG you ]を開発した山口恵理さんに、その驚くべきスペックと開発の経緯を伺いました。
きっかけは娘さんの留学準備
「開発には2年もかかってしまいました。」そう語り始めた[ HUG you ]開発者の山口恵理さん。吸水サニタリーショーツを作ろうと思い始めたきっかけは、娘さんの月経過多に悩んだ末。当時留学を控えていた娘さんは、タンポンとナプキンを併用してもとにかく漏れてしまっていました。
留学準備をしていても、海外の生理用品事情はなかなか具体的な事がわからず、心配していた 山口さん。なんとか月経過多を軽減させてあげたいと、娘さんに婦人科で低容量ピルを処方もしてもらい、東洋医学も勉強してできることを実践。様々な努力をしていましたが、なかなか改善せず、スポーツ大好きな娘さんが生理の時は体育も休まなければいけないことに、ご自身も元アスリートだった山口さんはとても心を痛める日々だったそうです。
学生スポーツ時代の経験と子供達の生理問題
山口さんは学生時代にスキーのアルペン競技選手をしており、当時は生理中でも⻑時間トイレに行けない上に、ウエアの着脱が大変でよく生理中にショーツから経血が漏れてしまっていた そうです。また、競技スキーでは合宿で同時に複数の選手が着替えを行う場合が多く、人前で使用中のナプキンがついた下着の着脱をしなければいけないシチュエーションがあるなど、快適とは言い難い状況が多々あったそう。
また、ご自身の経験だけではなく娘さんの成⻑を見守る中で、小中学生は特に生理用品の交換 タイミングと更衣のタイミングを集団生活の中で周りに合わせる事は難しく、失敗して恥ずかしい思いをしてしまうことも知っていました。
このような生理の失敗を減らしたいのはもちろん、自身も感じている生理中の運動の不自由・ 不快感をなくしたい。その思いと娘さんの月経過多の問題とが合わさって、とても大きなモティベーションとなり[ HUG you ]の開発へと山口さんを突き動かしたのです。
欲しいものがないから作った
フェムテックという言葉が出てきている今、使い捨てナプキンやタンポン以外の選択肢として 生理用吸水ショーツや布ナプキン、月経カップなど様々なものがある中、なぜ山口さんがあえて新しい吸水ショーツを開発しなければいけなかったのか。それは彼女がアスリートであるゆえ、吸水サニタリーショーツに求めるスペックが既存のものではカバーできないほどに高いものだったからだそうです。
山口さんご自身も生理用品から漏れた後のサニタリーショーツの気持ち悪さがいつも気になっていました。何か良い対策はないのかと思い、いくつか吸水ショーツを試したこともありました。しかし既存の吸水ショーツの多くは先発の海外仕様に準じていました。海外の吸水ショーツはタンポン併用が前提のものがほとんど。そのため吸水パットはサポート程度の機能性しか持っていませんでした。対して日本はナプキンの利用者が8割。日本のスタイルで海外仕様の吸水ショーツを使っていても就寝時や激しい運動時にはずれで漏れが生じることが多くなるのは当然でした。既存の吸水ショーツの中に山口さんの欲しいものがなかった。
「だから作りました。」
この究極にシンプルな理由に、私は同じ機能性を求めた物作りをする者として、最高の説得力を感じました。
交換タイミングを減らしたい。だから単体でも使える性能を
山口さんは開発の前提として、ナプキン併用で漏れないのではなく、そもそもナプキンを使っても使わなくても半日程度ショーツ単体でカバーしてくれる機能性を目指すことにしました。
理由は前述の通り、アスリートや集団生活の場が多い小・中学生はそもそも生理用品の交換タイミングそのものが悩みだからです。
この人目があり、交換タイミングそのものが悩みというのは間違いなく女性釣り人にも当てはまるのではないでしょうか?
また、開発期間に2年を要したのは、試作品をとにかく毎月自分で試し、季節問わず着用して運動時の動きや圧力を想定してテストしたからだそうです。
特に自転車などでの圧力による戻りが気になっていたので繰り返しテストしたそうです。
その結果、素材から形状まで納得のものとなり、山口さんが求める十分な運動時耐水量をもつスペックまで高めることができたとのこと。
これを聞いただけでも、例えば船釣りなど立ったり座ったり様々な姿勢が想定される釣りシーンでも耐えてくれる安心感が伝わるのではないでしょうか?
尚、製品は黒い生地ですが、テストは染色前の白い生地を使用したそうです。
白い生地でも洗えば経血はほとんどきれいに落ちていたとのことなので、汚れ残りが気になる人も安心です。
さらに別売りの「吸水サポートパッド」を併用することで、経血量の多い方にも対応可能とのこと。
サポートパッドを交換したり、半日程度で取り外したりする事でより快適かつ衛生的に過ごせそうです。
また、使用済みの生理用品やショーツは汗と混ざったり空気に触れたりすることでニオイが気になるものですが、[ HUG you ]の使用済みパットを付属のエコボトルに入れて持ち帰ってしばらく置いておいてもほとんど匂わなかったそうです!
これは実験結果ではないので期待スペックとなりますが、通年で多くのテストを重ねた上でのお話なので、ニオイについてもちょっと安心して良いと思います。
さて、そんな[ HUG you ]を私も体験させてもらいました。
私の場合は月によって生理の状態がまちまちなのですが、どんなパターンでもはっきり言って問題なし!
べたつくんじゃないの?
本当に吸収してくれるの? と使用前はかなり恐る恐る・・・でしたが、使ってみればそんな不安は吹っ飛びました! これは釣り好きな女性たちに私が心からオススメしたい画期的なショーツです!
ショーツの割にはお値段が張るな・・・と感じる方もいると思いますが、使い捨ての生理用品の消費量が減る上に、交換タイミングも減らせると考えると、はっきり言ってお得感しかないです!
アウトドアアクティビティを思いっきり楽しみたい女性の新しい武器。 それが[ HUG you ]の正体でした。
公式サイト https://hugyou-life.com/
金子マミ プロフィール
Shipsmast プロデューサー・株式会社プラスエム代表取締役
女性と釣りをテーマにした隔週刊つり情報連載、アウトドア系雑誌などへの寄稿を経て2011年より女性用釣り用品ブランド[Shipsmast]をプロデュース。